このキャンパスは大きく3つのブロックに分かれているのですが、ここはそのうちの一つ、東北大学金属材料研究所(通称金研)の敷地内です。
金研の南西隅のエリアは、駐車場になっています。その縁は南側がシャガやアジサイが植えられた土手、西側がオオイヌノフグリやニラ、カタバミなど自生の雑草たちが小さな花を咲かせるエリアです。そしてこれらはぐるりと低い石垣で囲まれていて、これがかつての大名屋敷の名残だといいます。
そんな金研、駐車場脇の草むらに、ゲンノショウコの花がたくさん咲いていました。
こちらは珍しい紅紫色ではなく、このあたりでは普通に見られる白紫色の花ですが。
いっぱい咲いていて、どれを撮ろうか迷っていると、なにやらいびつな形をした花を発見。しかもその上には何か黒くて丸いものが・・・
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E-420, P9137081 |
OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8
reverse
F1.8開放, 1/320sec (+0.3EV), ISO200
花びらの一枚一枚の両脇がかじられてスリムになっています。犯人はどうやらこの丸くて黒い虫。とてもつやつやしているきれいな虫です。
トリミングしてみますと、
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1024x768枠でトリミング後600x450にリサイズ |
後ろ脚がとても太いです。背中はつやつやしすぎて、よく見ると私の姿が映っています。
FotoPusの虫コミュで尋ねてみると、すぐ名前を教えてもらいました。「ルリマルノミハムシ」とのこと。
ルリは瑠璃色ということでしょう。でもどう見ても真っ黒にしか見えませんが・・・
マルノミは丸蚤、つまり丸くてノミのように跳ねる・・・後ろ脚はただ無駄に太いだけではなくて、ものすごい跳躍力を生み出す強靱な脚だったのです。
ハムシは葉虫ということでしょう。
でも、調べてみるとルリマルノミハムシとよく似たハムシに「コマルノミハムシ」というのがいるそうで、その違いは「脚の色」なのだとか。
脚が黒いのがルリマルノミハムシ、褐色なのがコマルノミハムシ・・・うーん、この写真を見るとこのハムシ、脚は褐色のようです。ということはコマルノミハムシが正解でしょうか。
このあたりのエピソードは、別のブログ(ココログ、Shino-G備忘録)にも記事を載せていますのでよろしかったらどうぞ。
ココログ記事「【虫備忘録】ルリマルノミハムシ」
ココログ記事「【虫備忘録】コマルノミハムシ??」
それにしても、昔の人はよくこんな些細な違いを見分けたものですね。
感心してしまいます。
しかしなぜ、コマルノミハムシは花粉を食べずに花びらを?
そちらも謎です。
花びらをかじられてもけなげに花を咲かせるゲンノショウコ。うまく受粉していい実ができるといいですね。
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E-420, P9137082 |
F1.8開放, 1/320sec, ISO200