2011年9月6日火曜日

やっぱり初代RIKENON 50mm F2はすごかった -2011/09/06片平のセンニンソウ

最近、RICOH XR RIKENON 50mm F2Lをもってお昼のお散歩に出る機会が増えました。
逆付けしたり接写リングをつけたりしてクローズアップ撮影するのですが、ふとF2(初代)とF2L(二代目)との写りの違いが確かめたくなり、この日は久しぶりに、この春オークションで手に入れた初代RIKENON 50mm F2レンズを引っ張り出してきました。

レンズ光学系が同じで、プラスチック化の恩恵で非常に軽量なF2Lをつい贔屓にしてしまいます。でも、前からひっかかっていた「最短撮影距離の違い」。
もしかしたら近距離での撮影で写りに差が出るのでは?という疑惑がもちあがってきました。
それは、このXR RIKENON 50mm F2というレンズについて整理してまとめたブログ記事(公開した記事はこちら)を書こうと思ったときに、いろいろと調べているうちに出てきたものです。

これまで、絞りリングの動作が軽やかではなくかなりカタいこともあり、「F2Lと違いはないだろう」と、この“元祖”和製ズミクロン、XR RIKENON 50mm F2をわざわざ持ち出すこともあまりありませんでした。
きちんと比較したわけではありませんでしたが、写りもそれほど違いがないように見えたという経験も影響しています。

でも、一度きっちり確かめてみよう・・・そしてついに、先日RIKENON F2Lで、そしてOM 50mm F1.8レンズでも臨んだセンニンソウの花で試すことにしました。

「XR RIKENON 50mm F2Lでセンニンソウ」の記事:その1その2
「OM ZUIKO 50mm F1.8でセンニンソウ」の記事:こちら

まずは、かるくウォーミングアップから。
ノーマルで木の幹に絡みつくセンニンソウの蔓と花を撮ってみることに。
一応、F2Lの最短撮影距離を考慮して、60センチと最短の45センチの距離にピントリングを合わせて撮ってみます。

60センチでの写真
E-420, P9066656
F2開放, 1/640sec (-0.3EV), ISO400

花の部分を等倍に切り取ってみます。


柔らかい中にもシャープさがあります。
F2Lと同等の撮影距離ですので、先日撮った写真から花の部分を抜き出して比べてみましょう。

E-420, P8306346
これは、8月30日に撮影したもので、そのときの記事に載せた2枚目の写真から抜き出しました。
このときは、絞りF4でしか撮ってませんでしたのでこれら2枚を単純に比較することはできません。
そこで、F4で撮ったもの同士を比べることにします。

E-420, P9066655
F4, 1/200sec (-0.3EV), ISO400

実はこの写真では、この花に対して若干前ピンになっているのでベストではないですが、上のF2で撮った写真と比べると、周囲の合焦のしかたがよりシャープになっていることがわかると思います。

そして、F2Lレンズで撮った写真と比べてみたときには写りそのものに大きな差は認められないと思います。ではやはり、F2もF2Lも光学系が同じなのだから写りも同じか・・・

次は、レンズ設計時には想定されていなかったと思われる「接写リング」使用のクローズアップです。PENTAX K接写リングのNo.3(長さ28.5mm)を入れて、まずはレンズのピントリングを無限遠(もっとも引っ込めた状態)にして撮ってみました。

E-420, P9066703
F2開放, 1/800sec (-0.3EV), ISO400

絞り開放ですが、滲みも少なく合焦位置のシャープネスもF2Lより高いような気がします。でもよく見ると、若干前ピンで、右手前に伸びる萼片の先端部付近にピントが来ていることがわかります。それでも花の真ん中のしべの写りがここまで来ているということは、やはりF2Lと写りに差があることを示しているのではないでしょうか。
ここでピントリングを繰り出して、最短撮影距離に相当する位置まで持ってきたときを試してみます。10ミリ程度繰り出されました。

E-420, P9066706
F2開放, 1/500sec (-0.3EV), ISO400

若干アップになりました。こんどはきちんとしべにピントが来たようです。びっくりしたのは、絞り開放であるにもかかわらず、かなり解像感が高いことです。
これがF4まで絞ると・・・

E-420, P9066714
F4, 1/160sec (-0.3EV), ISO400

本当にすばらしい画像になります。しかも、ボケが素直です。
やはり、F2とF2Lの違いはクローズアップ撮影で顕著に(少なくとも私の目では)見えました。これはますます絞りリングの具合を直して、万全の状態でもっと活躍させてやりたくなりますね。

最後に、今日一番のお気に入り写真を披露いたします。
E-420, P9066690
逆付け
F2開放, 1/1600sec (-0.3EV), ISO400

左上に葉が被さっていて、左からの日光が遮られて少し陰っている奥の花と、日光を受けている手前のつぼみです。
絞りを開放にしているにも関わらず、ぼやけた感じにならずにしべのひとつひとつがくっきりと見えています。これには驚きました。

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